夫婦共働きが当たり前になってきている影響で、最近では夫婦別財布で家計管理をする家庭が増えていますね。
夫婦別財布の良い点は、
- 自己負担分が明確
- お互い自由に使えるお金を確保できる
- お互いのお金の使い方に干渉されないで済む
といった事が一般的だと思います。
しかし、夫婦別財布の管理には落とし穴が潜んでいるのをご存じでしょうか?その落とし穴を把握し、対策を講じておかなければ、大喧嘩になる可能性だってあるのです。
その為、夫婦別財布での管理を行っている・考えている家庭は、しっかり対策を立てることが必要になってきます。
そこで、この記事では夫婦別財布での家計管理に潜む、落とし穴とその対策について紹介します。
喧嘩の原因は事前に取り除いておくのが一番ですからね…。
それでは是非ご覧ください。
夫婦別財布の特徴
まず初めに、夫婦別財布の特徴を見ていきましょう。
家計毎に細かな違いはあるかもしれませんが、大きく分けると以下のような管理方法になることが多いと思います。
【夫婦別財布の管理方法】
- 支出・項目別で支払いを担当する方法
夫が家賃・光熱費等を負担。妻が食費や娯楽費等を負担するといった方法です。
- 共同口座にお互いが決まった金額を入金して管理する方法
毎月決まった金額(同額もしくは給料の高い方が多く)を共同口座に移動させた後に、そこから各支払いに充てる方法です。
- 特にルールを定めていない
支出分担を定めず、成り行きで管理する方法です。おおよその分担は決めている、もしくは月末に支払った分を合算して、負担の多い方にもう一方がお金を渡すといった方法です。
【家計の貯金】
お互いが一定額を共同口座に移したり、支払いに充てて残った分を家計の貯金として残しておくといった方法が取られることが多いようです。
【自由なお金】
収入から自身の支払い負担と家計の貯金を引いた分が、お互いの自由に使えるお金となります。
【特徴(メリット)】
- 自己負担分が明確
- お互い自由に使えるお金を確保できる
- お互いのお金の使い方に干渉されないで済む
如何でしょうか?
個人の負担分に関する合意が出来れば、自由に使えるお金も多く、良い管理方法に見えますよね。
夫婦別財布の落とし穴
では、喧嘩の原因になり得る夫婦別財布の落とし穴とは何なのでしょうか?
想定されるのがこの5点です。
- 負担に対して不公平感が出る可能性がある
- 想定外の出費に対する負担をどうするか決めていない
- 家計見直しに相手が応じない可能性がある
- 相手の貯蓄額がブラックボックス化する
- 「いつまでに・どのくらい貯めておく」の見通しが難しい
順番に解説していきます。
1.負担に対して不公平感が出る可能性がある
どちらが支払い担当になるかを決める際に、初めはお互いに納得して決めたとしても、徐々に「自分の方が多く負担している」等の不満が生まれてくる可能性があります。
自分の負担が少ないほど、自由に使えるお金が多くなるため、不公平感を持ってしまうのも当然ですよね!
特に物価変動や為替の影響で、
- 食費(外食含む)
- 水道光熱費
- ガソリン代
などの景気や海外情勢の影響を受けやすい支出を負担している場合は、出費が徐々に増えてしまうといった事態に陥りやすいです。
初めは公平だと思っていても、不公平感が徐々に募っていく可能性はあります。
2.想定外の出費に対する負担をどうするか決めていない
想定外の出費が発生した際に、どのように対応するか決めていない場合、喧嘩に発展する可能性があります。
具体的には、
- 冠婚葬祭関係の出費
- 家電等の修理購入費用
- ケガ、入院等の費用
といった急な出費且つ、「どちらが払う?」という状況になりそうな費用です。
このような想定外の出費に対して、
- 家計の貯金から出すのか
- どちらかが負担するのか
といった事も事前に話し合っておかないと、喧嘩に発展する可能性もあります。
「自分の自由なお金はすべて使う!個人の貯金はしない!」といった考えを持つ配偶者の場合は、強制的に家計の貯金から負担なんてことも考えられます。
3.家計見直しに相手が応じない可能性がある
もし、社会情勢の変化や家族状況の変化によって、
- 将来に向けて家計の貯金額を増やしたい
- 負担が偏っているから見直しをしたい
といった状況になった際に、再度話し合いを行う必要が出てきます。
もしそのような状況になった場合、もう一方が話し合いに応じない可能性がある事を考慮しなければいけません。
本来は家計を第一優先に考えるべきなのですが、パートナーが、
- 自分の自由に使えるお金が減るのを嫌がる
- そもそも家計の事に対して無頓着
という人の場合、自分の負担が増える話し合いに、素直に応じるとは限らないですよね。
家計の支出や貯金等の管理を相手に任せている場合、将来の事に対し無頓着になる可能性があるので、注意が必要かもしれません。
「今、自分の使えるお金が減る」という事に対する抵抗感が強い人が居るのも事実です。
そうなった場合に、「相手が家計の事を考えてくれない、お互いの言い分がまとまらない」等の理由で喧嘩に発展する可能性があります。
4.相手の貯蓄額がブラックボックス化する
夫婦別財布で管理した場合、夫婦お互いが、
- 毎月どのくらいお金を使っているのか
- どのくらいお金を持っているのか
- 給料をどのくらい貰っているのか
「把握しづらい・全くわからない」といった状況になる可能性があります。
そのような場合、家計の貯金を十分確保出来ている家庭は問題ありませんが、そうでない家庭は大きな出費に対応出来ない可能性があります。
5.「いつまでに・どのくらい貯めておく」の見通しが難しい
夫婦別財布の場合、家計の貯金として「いつまでに・どのくらい貯めておく」といった決め事が必要になると思います。
多くの家庭は、
- 家の購入資金
- 車の購入資金
- 子供の教育費
- 老後の生活費
といった、【大きな出費への備え】や【将来への備え】を計画的に準備しなければなりません。
しかし、この見通しを経てる事は実際のところ非常に難しいです。
- 物価上昇
- 税金関係、社会保障費の増額
- 土地、建物代の上昇
数年先になるだけで世の中の状況は大きく変わります。「今、生活をする上で十分な給料を貰えていて、今後も昇給を続けていく」という保証があれば問題ありませんが、もし1%でもそうでない可能性があるのであれば、備えは必要になります。
もし、その備えが甘かった場合の事を考えると、お互いの貯蓄額を把握出来ない事は大きな不安に繋がります。
夫婦別財布を成立させるために重要な事
ここまで記事を見ていただいた中で、
夫婦別財布は辞めた方が良いの...?
といった疑問が湧いてくると思います。
私の考えとしては、夫婦別財布は管理が難しい為、ここまで説明した落とし穴にハマりそうな夫婦は避けることが無難だと思っています。
しかし、あらかじめ管理する上でのルールを定めておけば夫婦別財布でも管理する事は可能です。それは、このような決まり事を作っておく事です。
【決めておきたいルール】
- 分担の見直しが必要な際は、お互い協力的に話し合う
- 定期的にお互いの給与・貯蓄額を把握する事
- 家計の貯蓄に多めにお金を入れておくように月々の入金額を調整する事
- 家計の管理は夫婦で行う事
つまり、夫婦お互いが家計の管理に参加し、あくまでも家計を第一優先と考え、個人の自由は家計の問題が片付いてから主張する事です。
このような決め事に協力出来ないようであれば、夫婦別財布での管理は難しいかもしれません。
まとめ:夫婦別財布は落とし穴に注意!
如何だったでしょうか?夫婦別財布での管理には、多くの落とし穴がある事をわかってもらえたと思います。
しかし、この落とし穴は事前に把握しておけば回避可能なものです。予め夫婦で話し合い、トラブルの無い家計管理を目指してもらえると良いと思います。
結局一番大切なのは、お互いを思いやる気持ちです!