「営業マンは口が上手でなければ、務まらないんじゃないか?」
大学生の時、営業職に内定を受けた口下手な私に両親はこう言いました。
不安な気持ちで社会人生活がスタートして約8年経ちましたが、何とか営業マンとして生き残り仕事をしています。
【 営業マン = 口が上手 】
これが世間のイメージだと思います。
実際営業マンとして働いてきた中で、
- 相手とのコミュニケーションを円滑に進める
- 相手との距離を縮める
- 相手から可愛がられる
こういった点において、口が上手い方が得するのは事実です。
営業マンに向いていると言えますし、仕事も円滑に進めることが出来ます。
ですが、営業マンにおいてそれが全てではありません。
口下手な人でも営業マンとして生き残る術は存在します。
「口下手だけど営業マンとして働けるかな?大丈夫かな?」
迷っているけど不安を持っている方へ向け、少しでも参考になればと思いまとめてみました。
口下手でも生き残れる営業マンになる術
①業界・会社選びを慎重に行う
大前提として、口下手でも生き残れる営業マンになる為には、業界・会社選びが重要になります。
具体的には、
- 扱っている商材は何か
- 誰に向けて売っているか(企業 or 個人)
この2点を考え、業界・会社を選ぶ必要があります。
なぜこの2点が重要な事なのか?
それは、最初の段階で顧客に対し自分を売り込む必要が有るか無いかに影響するからです。
よく営業では、「商品ではなく自分を売り込むことが大事」と指導されます。
間違いなく正しい事ではあるのですが、口下手な人間からすると、
その前に心が「ポキッ」と折れてしまいます…。
業界・会社選びを間違えてしまうと、一番苦手な事を入社して最初に求められてしまう事態に陥ります。
では、そうならない為にどういった業界・会社を選べば良いのでしょうか?
選ぶべき業界・会社の特徴
- 法人向け営業
- 既存顧客、ルート営業比率高め
- 業界シェア〇〇%以上(高いほど良い)
- ニッチな製品を扱う競合他社の少ない会社
- 社会的知名度の高い会社
といった感じです。
つまり、
- 企業として既に成熟している
- 既存顧客との強固な結びつきを作っている
このような特徴の企業を選ぶ事が重要になります。
自分自身に力が付くまでは会社の繋がりや評判に助けてもらう事が出来る為です。
個人的な見解として、
- ライフライン系機械設備メーカー
- 生産設備系メーカー
- 特定の特殊機器を扱う企業
がオススメです。
例:〇〇製作所、〇〇電機 …等々
対企業への営業が多いだけではなく、既に構築されている関係を元に営業を行うパターンが多いからです。
会社の製品を売り込む → 自分を売り込む
こういった形での営業に持っていきやすいのが特徴です。
逆にオススメしない業界が、
- 金融関係
- 住宅関係
- 保険関係
等の個人を相手に営業する場合がある業界です。
自分を売り込む・知ってもらう → 話を聞いてもらう
口下手な人間が最も苦手とする営業スタイルです。
②製品知識を最優先で覚える
実際に会社に入社したら、口下手な人間は何を優先的に行うべきでしょうか。
それは、自社製品の知識を出来る限り早く付ける事です。
入社し自身の担当顧客を持つと日々仕事の依頼や問い合わせが来ます。
また、顧客へ訪問して仕事を貰うといった事も必要になります。
その際に、コミュニケーションの上手な人は持ち前の人間性で直ぐに顧客と仲良くなり、仕事を貰ってくる事が多々あります。
ですが、コミュニケーションの苦手な人間はそんな事出来ません。
では、どうすればよいでしょうか?
それは、いち早く知識を吸収し、顧客からの問い合わせや仕事の依頼を正確に早く答えられるようになる事です。
自分が相手にとって有益な人間である事が分かれば、自然と顧客との関係性は良くなり、その後の仕事にも繋がっていきます。
持ち前のキャラクターやコミュニケーション能力で勝負する事が出来ない以上、知識や返答といった点で勝負するのが生き残る術になります。
コツ③知識・経験のある人間を味方に付ける
製品知識を付ける上で一番大切な事、それは知識・経験のある人間を味方に付ける事です。
- 説明書
- カタログ
- 技術資料
独学でも製品知識を付けることが出来る資料は数多く存在します。
しかし、入社して個人の努力で補えない物が経験です。
様々な状況、不具合等の対応を経験することによって、知識はより定着します。
経験が無ければ、知識を持っていても、いざ顧客対応の際に生かせないという状況になりかねません。
そんな時、知識・経験のある人間に意見を求める事が出来れば、解決は圧倒的に早くなります。
私は自社製品のメンテナンスや修理をしてくれる協力会社に良く教えてもらってました。
現場経験がある人を味方に付けると大変頼もしかったですね!
また、普段から勉強しておけば理解も早くなり、自身の力になるのも早くなります。
勉強 → 問題に直面 → 調べる → 解決できない場合は意見を求める
こういった対応を取ることによって早く自身の力にすることが出来ます。
社内外問わず知識のある人間を味方に付けることで、自身のスキルアップに繋がり、尚且つ顧客からの信頼に繋げることが出来ます。
成果の出ない我慢の期間があることを覚悟する
口下手な人間でも営業マンとして仕事をする事は可能です。
しかし、1点注意する必要があるのは、「必ず成果の出ない我慢の期間があること」です。
日々勉強、仕事をする事で知識は徐々に身に付いてきます。
ですが、あくまでもそれは点が増えているという事です。
ある程度理解が深まり、点が線になるまでには時間が掛かります。
そして、点が線になるまでの期間に、
- 成果が出ない
- 顧客とコミュニケーションを取りづらい
- 顧客、上司に叱責される
こういった事は覚悟しなければなりません。
日々努力していればこそ、周りから認められないというのは辛いと思います。
ですが、その努力を見てくれている人には伝わっていますし、必ず成果は出ます。
そして、その成果が出た時が営業マンとして成果が出る時であり、仕事が少し楽しくなるタイミングだと思います。
ゆくゆくは自分の営業スタイルを見つける
ここまで「口下手な人も営業マンとして生き残る一つの方法」を説明してきました。
ですが、ゆくゆくは是非自分の営業スタイルを見つけて欲しいと思います。
私も良く「営業マンごとに営業スタイルが異なるから、先輩を良く観察しなさい」と教えを受けていましたね。
自分で口下手な人間だと思っていても、
- 意外とコミュニケーションをとるのが苦手では無かった
- 顧客と共通の話題があり、仲良くなれた
- 相手が自分に好印象を持ってくれている
等々、「あれっ?意外と営業向いてるかも!」と思う場面に遭遇します。
そういった場合は、多少返答を遅らせてでも、特定の顧客にコミュニケーションの機会を多くとった方が良い場合もあります。
そう思う顧客に出会えることは貴重なので、是非、「雑談の時間を長くとる」「ご飯に行ってみる」等、有意義な時間を作ってみるのが良いと思います。バランスは大事ですが!(笑)
そしてゆくゆくは自分の営業スタイルを見つけ、「口下手な自分でも営業が出来た!」という成功体験を作ってもらえると嬉しいです。