入りたい会社が「全国転勤あり」の会社なんだけど、将来の事を考えると止めた方が良いのかな…?
そんな悩みを持つ方へ向けた記事になります。
「全国転勤あり」と聞くと、皆さんはどのようなイメージを持たれるでしょうか?
- 他人から止めておけと言われる
- 辛そう
- 時代遅れ
等々、否定的な意見が多く挙げられるのではないでしょうか?
しかし一方で、この転勤制度を設定している会社が多く存在している事も事実です。
転勤制度を設定している会社にとっては、
- 制度を設けるメリットがある
- 転勤出来る人材が欲しい
といった事情があることが分かります。
勤務地希望を考慮する企業も増えてきていると感じますが、あくまでも「当面の間は転勤無し」という条件付きの場合が多い印象ですね…。
つまり、もしあなたに入りたい会社があり、その会社に転勤制度が有る場合、デメリットとも向き合わなければならない可能性があるという事です。
そこで、この記事では、全国転勤ありの会社に勤めていた私(わんこ蜜柑)の経験を元に「全国転勤ありのデメリット」について解説していきます。
もし、入社したい会社があるのであれば、メリット・デメリットを把握した上で、良く考えることが大切です。「全国転勤ありのメリット」をまとめた記事も合わせてご確認ください。
転勤制度の実態とは?
まず初めに、転勤制度の実態について簡単に見ていきます。
独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った「企業の転勤の実態に関する調査(2017年)※」では、このような結果が出ています。
【正社員(総合職)の転勤がどのくらいあるかについて】
調査対象:企業調査が全国の常用労働者300人以上の企業;10,000社
- 正社員(総合職)のほとんどが転勤の可能性がある 33.7%
- 正社員(総合職)でも転勤をする者の範囲は限られている 27.5%
- 転勤はほとんどない(転勤が必要な事業所がない) 27.1%
企業規模(社員数)が多くなるに比例して、「正社員(総合職)のほとんどが転勤の可能性がある」と答える企業の割合が増加する関係にあるとの事です。
【転勤の目的(複数回答)50%以上】
- 社員の人材育成 66.4%
- 社員の処遇・適材適所 57.1%
- 組織運営上の人事ローテーションの結果 53.4%
- 組織の活性化・社員への刺激 50.6%
如何でしょうか?
2017年のデータにはなりますが、「正社員(総合職)のほとんどが転勤の可能性がある」と回答する企業の割合が最も多く、「企業規模(社員数)が大きくなるに従い、転勤の可能性が増加する」という結果になっているという事です。
ここからわかる事は、待遇面がしっかりしている大企業に入ろうと考えると、自ずと転勤がセットで付いてくる可能性が高いという事ですね。残酷な事実です…。
全国転勤ありに感じたデメリット
それでは、【考えなければならないデメリット】とはどんな事があるのでしょうか?
- 良く聞くデメリット
- 私(わんこ蜜柑)が実際に経験したデメリット
- 同僚が感じていたデメリット
この3つの情報を元にピックアップしてみましたので、是非ご覧ください。
デメリット①ライフプランが立てづらい
デメリット1つ目は「ライフプランが立てづらい」です。
当然ですが、転勤のタイミングは企業次第になります。
- いつ
- どこに
- どのくらい
といった、ライフプランを立てる為に必要な要素を、会社に握られている状態になります。
その為、
- 結婚
- マイホームを建てる
- 子供を作る
の様な、人生における一大イベントに対する予定も立てづらくなってしまいます。
退職防止等の観点から、個人の事情を考慮する企業も増えています。
しかし、
- 急な欠員
- 転勤拒否
- 社員同士のトラブル
といった予測出来ない事への対応が求められる場合もある為、個人の希望が必ず叶えられる事は無いと考えた方が良いでしょう。あくまでも、雇われている身である事を忘れてはいけません。
私が以前勤めていた会社では、「マイホームが建った翌年に転勤が決まった」なんて方も居ました。恐ろしい話ですよね…。
デメリット②引っ越しが大変
デメリット2つ目は「引っ越しが大変」です。
転勤が決まると、移動に向けて多くの準備が必要になります。
【転勤が決まったら必要になる事】
- 新居探し(管理会社との打ち合わせ)
- 引っ越し業者との打ち合わせ
- 荷造り
- 退去時の掃除
- 退去時の立会い
- 移動前後の役所での手続き(マイナンバー住所変更含む)
- 運転免許の住所変更(警察署)
- 各種サービスの住所登録変更
- 新居での荷解き
- 家具家電の新調(場合によっては)
- その他各種書類手続き
また、家族帯同の場合は、
- 配偶者の職場への連絡
- 学校(保育園・幼稚園含む)を決める手続き
- 子供の補助等の変更申請
等々、大まかに必要な手続きは記載しましたが、細かく分けるとさらに多くの手続きが必要になります。
如何でしょうか?想像しただけでも大変だと分かりますよね。
また、このような手続きを、忙しい仕事の合間を使って行う必要があります。
- 引継ぎ業務(資料の作成、業務説明、挨拶等)
- お世話になった方々への挨拶
といった、通常業務以外のやらなければならない事も出てくる為、より忙しくなる可能性があるのも辛いところです。
引っ越しの前後を【特休】や【有休】を使い、休みにして準備する事が多いと思います。しかし、数日の休みでは、生活の基盤を整えるには短すぎます。暫くは、慣れない環境で忙しく生活する事を覚悟しなければなりません。
デメリット③友人関係が希薄になりやすい
デメリット3つ目は「友人関係が希薄になりやすい」です。
赴任地が、地元から遠く離れた地になった場合、友人に会えるタイミングが、
- 長期連休での帰省
- 冠婚葬祭での帰省
- その他の用事での帰省
のみとなってしまいます。
また、そのようなタイミングでも、お互いの都合上必ず会えるとは限りません。
自身が帰省するタイミングは、友人も自分の実家や親戚の家へ行くタイミングである事が多いので、予定を合わせる事も難しくなります。
友人が近くに居ると出来る様な、
- 週末に予定を合わせて遊ぶ
- 平日の夜にご飯へ行く
といった事が出来なくなってしまう為、自然と友人関係が希薄になる可能性があります。
女性の場合、日頃から用事が無くても連絡を取ることが多いと思いますが、男性は用事が無ければ連絡を取らない傾向にあるようなので、可能性は高いかもしれませんね。
デメリット④家族との時間が少なくなる
デメリット4つ目は「家族との時間が少なくなる」です。
デメリット3つ目と同様に赴任地が、自身の地元から遠く離れた地になった場合、家族に会えるタイミングが、
- 長期連休での帰省
- 冠婚葬祭での帰省
- その他の用事での帰省
のみとなってしまいます。
そのタイミングでも、
- 友人と遊ぶ
- どこかへ出掛ける
といった事に時間を割けば、さらに家族との時間は少なくなります。
また、自分が親になれば、将来的に単身赴任の可能性も出てきます。自分の親だけでは無く、子供との時間が限られてしまう事も考えなければなりません。
家族が遠くに居ると、「あと何回家族の顔を見ることが出来るかな?」と良く考えていましたね…。
デメリット⑤帰省費用が嵩む
デメリット5つ目は「帰省費用が嵩む」です。
自身の地元と赴任地の位置関係によっては、帰省費用が高額になる可能性があります。
年数回の出費にはなりますが、
- 飛行機
- 新幹線
等の交通手段を使わなければ帰省出来ない距離の場合、年間の費用で見ると馬鹿に出来ない金額になります。
私は、愛媛(赴任地)~岩手(地元)を年3回帰省していました。1回の帰省に掛かる費用が7万ほどでしたので、年間21万円帰省で使っていましたね…。早割等をしっかり利用してもこの金額でした…。
帰省に掛かる費用を負担してくれる企業もあるかもしれませんが、恐らく一部だと思いますので、自身の手出し金額が多くなる事は、覚悟する必要が有ると思います。
デメリット⑥赴任当初は暫く孤独
デメリット6つ目は「赴任当初は暫く孤独」です。
地元から離れた遠方の赴任地の場合は、知り合いがいない事の方が多いです。
その為、移動した土地で人間関係を築くまでは、暫く孤独である事を覚悟しなければなりません。
しかし、
大人になってから、新しい人間関係を築くのは、本当に難しいです…。積極的に行動しないと、友人関係を作ることは難しいと思った方が良いと思います…。
その為、自然と、
- 会社関係者
- 仕事で出会った人
とプライベートも関わる事が増えてくると思いますが、やはり気は使うので、友人と遊ぶ感覚にはならないと思います。
職場に年齢の近い人が居ない場合は、さらに厳しい状況になります…。頑張って恋人を作るのが良いかもしれません…。
デメリット⑦都市部⇒地方の場合、遊ぶ場所に困る
デメリット7つ目は「都市部⇒地方の場合、遊ぶ場所に困る」です。
地方には地方の良さがありますが、娯楽の充実度で考えると、都市部の方が勝るようです。
私は地元の方が田舎だったので、不自由はありませんでしたが、東京から来ていた先輩は良く不満を口にしていましたね。
また、家族の理解を得られないといった点も問題があります。
家族帯同で移動する場合、住む環境が大幅に変わってしまうと、
- 本人は仕事で移動する為、納得出来る
- 家族は転勤に付いて来ているという気持ちの為、不満が出る
といった状況になりやすいです。
転勤当初は家族帯同で移動したけれど、耐えられなくなって、家族だけ地元に帰ったという方も居ましたね…。
デメリット⑧職場の人間関係が悪いと詰む
デメリット8つ目は「職場の人間関係が悪いと詰む」です。
赴任した職場の人間関係が悪い場合、職場規模にもよりますが、
- 争いに巻き込まれる可能性がある
- 頼れる人が居なくなる
といった状況になります。
もし、少人数で雰囲気が悪い場合は、どうしようも無くなります。
赴任したばかりのプライベートが充実していない状況で、職場の雰囲気が悪い時の絶望感は凄いです。
デメリット⑨恋愛・結婚のハードルが高い
デメリット9つ目は「恋愛・結婚のハードルが高い」です。
転勤がある会社員の【恋愛・結婚のハードル】は高いです。
具体的には、
- 出会いを自分の力で見つけなければならない
- 転勤有がOKな相手を見つけなければならない
- 相手の両親の理解が得られない可能性がある
- 同郷では無い場合の帰省について考える必要が有る
- 結婚して子供が生まれた場合の拠点はどうするか
等々、考えなければならない事が多いです。
出会いといった面では、SNS等の選択肢も増えた為、以前より出会いやすくなっていると思います。しかし、その後の結婚となると、やはりハードルが高い事に変わりはありませんよね…。
まとめ:自身のライフプランに当てはめて考える
【全国転勤ありのデメリット】を説明してきましたが、如何でしょうか?
ここまで見ていただいた中で、
デメリットを見たけど、やっぱり希望する会社に入って働きたい!
やっぱりデメリットは大きいから、転勤無しの会社を探してみようかな!
などなど、様々な考えが出てきたと思います。どちらも正しい選択だと思います。
初めにも少し説明しましたが、
- 転勤ありの会社に入るメリット
- 転勤ありの会社に入るデメリット
それぞれを比べて自身のライフプランに合う選択をする事が大切です。
転職市場が充実しているので、経験さえ積んでいれば、自身の希望する働き方に変更する事は可能だと思いますよ!